IRIAMで収益を受け取るようになったら、税の手続きも考えることになります。ただ、何が必要かは、売上の大きさ、ほかの仕事の有無、活動の続け方によって人それぞれ違います。
- 収益と経費の記録は、どの場合でも残しておく
- 確定申告が必要かどうかや、所得の区分(事業所得か雑所得か)は、活動の実態や所得の合計によって変わる
- インボイスの登録には、IRIAMでの換金額への影響と、消費税の申告の負担の両方がある
個別の判断は、税務署または税理士に確認してください。
収益と経費の記録を残す
所得の金額は、収入から必要経費を差し引いて計算します(国税庁 No.1350 事業所得)。記録がないと、収入も経費も正しく計算できません。
国税庁は、事業所得などを生ずべき業務を行う人は、申告が必要ない場合も含めて、収入や経費を帳簿に記録し、書類を保存する対象になると案内しています(国税庁 個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について)。
残しておくものの例
| 残すもの | 例 |
|---|---|
| 収入の記録 | 換金した日、金額、差し引かれた額 |
| 経費の記録 | イラストの依頼、機材、通信費など、活動のために払ったもの |
| 書類 | 請求書、領収書、振込の記録 |
国税庁の案内では、収入や経費を記載した帳簿は7年、請求書や領収書などの書類は5年の保存期間とされています(同ページ)。
開業届の位置づけ
開業届(個人事業の開廃業等届出書)は、個人が新たに事業を始めたときに出す届出です。提出の期限は、事業を始めた年の確定申告の期限までとされています(国税庁 No.2090 新たに事業を始めたときの届出など)。自分の活動が「事業」にあたるかどうかは、次の所得の区分と同じく、活動の実態によって変わります。
事業所得か雑所得か
配信の収益が「事業所得」になるか「雑所得」になるかは、一律には決まりません。国税庁の通達では、事業所得と認められるかどうかは、その活動が社会通念上「事業」といえる程度で行われているかで判定するとされています。また、取引を記録した帳簿書類を保存していない場合は、原則として雑所得(業務に係る雑所得)にあたるとされています(国税庁 所得税基本通達の一部改正(令和4年10月7日))。
区分で変わることの例
- 所得の金額は、どちらも「総収入金額−必要経費」で計算します(国税庁 No.1350 事業所得・No.1500 雑所得)
- 雑所得の計算で損失が出た場合、その損失はほかの所得と差し引き(損益通算)できません(国税庁 No.1500 雑所得)
- 国税庁は、副業に係る所得(原稿料など)を雑所得の例に挙げています(同ページ)
源泉徴収と確定申告は別のもの
IRIAMでは、ダイヤを換金するたびに源泉徴収税が差し引かれます。現在の計算方法は、換金額が100万円以下なら換金額×10.21%、100万円を超える場合は(換金額−100万円)×20.42%+102,100円と案内されています(IRIAM FAQ 源泉徴収税の計算方法)。換金の手順や差し引きの例は、「IRIAMの収益化と換金方法|申請条件・ダイヤ・振込まで【2026年10月版】」にまとめています。
源泉徴収は、インボイスの登録番号の有無とは関係なく行われます。登録番号をIRIAMに登録していない場合の2.73%の差し引きは、源泉徴収とは別のものです(IRIAM インボイス制度に伴うダイヤ換金申請のお振り込み額の変更について(2026年10月1日〜))。
源泉徴収は、支払いのときに税金が差し引かれる仕組みです。確定申告は、1年間(1月1日〜12月31日)の所得と税額を計算して確定させる手続きで、源泉徴収された税金がある場合は、確定申告で過不足を精算します。申告の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日までです(国税庁 No.2020 確定申告)。
確定申告が必要かどうかは、所得の合計や、給与の有無などによって決まります。源泉徴収されているから申告しなくてよい、とは限りません。
インボイス登録とは
インボイスは、売り手が買い手に、正確な税率や消費税額を伝えるための請求書や領収書などで、登録番号などが書かれたものです。インボイスを交付するには、事前に適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)の登録を受ける必要があり、登録を受けると、課税事業者として消費税の申告が必要になります(国税庁 インボイス制度について)。
登録する場合と登録しない場合
| 項目 | 登録する場合 | 登録しない場合 |
|---|---|---|
| IRIAMの換金額 | 有効な登録番号をIRIAMに登録し、確認が終わると、2.73%の差し引きの対象から外れる | 2026年10月1日以降、換金申請額から2.73%が差し引かれる |
| 源泉徴収 | 差し引きとは別に行われる | 差し引きとは別に行われる |
| 請求書 | 適格請求書(インボイス)を発行できる | 適格請求書は発行できない |
| 消費税 | 課税事業者として、消費税の申告と納付、記録の管理が必要になる | 活動の状況によっては、免税事業者のままである場合がある |
出典:IRIAM インボイス制度に伴うダイヤ換金申請のお振り込み額の変更について(2026年10月1日〜)・国税庁 インボイス制度について・国税庁 No.6501 納税義務の免除
個人の場合、前々年の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として消費税の納税義務が免除されます。ただし、適格請求書発行事業者の登録を受けている場合は、免除されません(国税庁 No.6501)。
登録するかどうかは、IRIAMでの差し引きの額だけでなく、消費税の申告と納付、記録の管理にかかる手間もあわせて考えます。売上やほかの仕事、取引の状況は人によって違うため、一律の答えはありません。
記録と申告にかかる手間
- 収入と経費を日ごとや月ごとに記録し、書類を保存する
- 確定申告が必要な場合は、毎年、所得を計算して申告する
- インボイスの登録をした場合は、消費税の申告と納付も加わる
迷ったときの相談先
ここで説明したのは、国税庁とIRIAMが公開している一般的な情報です。自分の場合に何が必要かは、税務署または税理士に確認してください。IRIAMも、税制についての判断は、最寄りの税務署や税理士に相談するよう案内しています。